投資家たちが声をあげていくことで、いい商品が生まれる。
さらには世の中もきっと変わっていく!
竹川 投資信託のいいところは、分散投資だけでなく、個人では投資できないものにも投資できますからね。
中野 その通りです。もっと本質的なことを言うと、投資信託はお金を殖やすツールというだけではなく、民主主義を具現化したものと考えることもできます。
たとえば、1万円で出来ることといったら限界がありますが、もし10万人が1万円ずつ持ち寄ったら、10億円になります。こうなると、ちょっと何かが出来そうな気がしてきませんか。場合によっては、世の中を変えていく原動力になれるかも知れません。自分たちや、子供、あるいは孫の世代も含めて、住みやすい世の中を創っていくための原資として、投資信託という仕組みを用いることも可能なのです。
だからこそ、前に触れた話題ではありませんが、販売金融機関の言いなりで投資信託を選んではいけません。必ず自分の意思で選ぶようにしたいですね。
竹川 そうですね。今の世の中全般を見ても、これから資産形成をしていくのであれば、やはり投資信託を無視することはできないと思います。
たとえば一昔前であれば、リタイアメント後の準備って、そんなに慌てなくても可能でしたよね。そもそも預貯金金利が年6%というように、とても高かったですし、高度経済成長期に一線で働いていた人は、給料が右肩上がりで増えていました。それに、公的年金や企業年金も充実していたので、マネープランを立てたり、投資信託のようなリスク資産で運用することを考えなくても、一定の資産を築くことができたのです。
でも、今はそんな悠長なことは言っていられません。給料はなかなか増えませんし、預貯金の金利も非常に低い。しかも、公的年金の支給開始年齢も引き上げられていく可能性もあります。そう考えると、預貯金だけでなく、別の方法で資産運用することも選択肢に入れるべきでしょう。
だからこそ、誰でも手軽に利用できる投資信託の存在意義というものが、これからはますます高まっていくではないかと思うのです。