青野 小室さんが以前、雇用には「メンバーシップ型」と「ジョブ型」とがあって、日本はメンバーシップ型、つまり所属することを重んじる雇用形態だとお話ししていましたよね?そこにジョブ型の要素を取り入れているんです。

小室 私も、一番目指したいのは両者のミックスなんです。メンバーシップ型の安心感もありつつ、ジョブ型のように条件をきちんとお互いに提示して話し合える対等な関係性がベスト。青野さんのお話を聞いていると、その境地にまで来ていると思います。

働き方改革と業績向上の関係は?
再就職者に見る「真の人材価値」

小室 それにしても、サイボウズは業績がぐんぐん伸びていますよね。働き方改革と業績向上って、どう結びついていると思いますか?

青野 そうですね、たとえば広報の江原なおみさん、実は元ソニーで、一度仕事を辞めて16年間専業主婦をしてからの再就職です。なんとTOEIC満点なんですが、それでもやっぱり再就職が難しかったというんです。世の中どうなっているんだろうって思いましたね。

小室 え!TOEIC満点で、江原さん、本当に再就職は難しかったんですか?

江原 フルタイムなら選択肢はもう少しあるんですけど、いきなり生活が変わり過ぎて家庭と両立できなかったら迷惑がかかると思って、当初「週3で」と希望していたので、見つからなかったですね。

小室 フルタイムまでの“慣らし”の働き方を社会には認めてもらえないということですね。

江原 実際にやってみたら、「あ、できるかも」と変化したので、現在は週5で働いているんです。インターン期間中に、青野自身が「僕は子どもが熱を出したら迎えに行きます」「病気の子どもを迎えに行けない理由になるほど重大な仕事はないんですよ」と言うのを聞いて、私はこの人の会社だったら働けるかもしれないと思いました。それがすごく大きかったですね。