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2026年も続くとみられる株高基調を追い風に、証券業界が活況に沸いている。最大手の野村ホールディングスは、前期に19年ぶりの過去最高益を記録し、今期もその勢いは止まらない。その数字は、かつてトヨタ自動車を抜き去り「利益日本一」に輝いた1987年のバブル経済期をほうふつとさせる。だが同じ「黄金期」でも、その中身は似て非なるものだ。特集『総予測2026』の本稿で、収益構造が激変した野村の現在地と死角を追う。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
新NISAやM&Aの活発化が追い風に
バブル期を想起させる野村の絶好調
2026年も続くとみられる株高基調が、証券業界に追い風を吹かせている。新NISA(少額投資非課税制度)で家計の金融資産が株式市場に流入し、法人部門もM&Aの活発化を背景に好調だ。
最大手の野村ホールディングス(HD)は、25年3月期の純利益が前年比2倍超の3407億円となり、19年ぶりに過去最高益を更新。26年3月期も中間決算で純利益が前年同期比17.5%増の1966億円に達し、2年連続の最高益更新をうかがう勢いだ。
この絶好調ぶりは、多くの中高年に「あの時代」を思い起こさせる。1987年のバブル経済の真っただ中、野村證券は経常利益4937億円をたたき出し、トヨタ自動車をも抜き去って「利益日本一」の座に輝いたのだ。
当時と現在。どちらも野村の「黄金期」といえる。ただし、そのもうけの中身は激変した。その中身を次ページで明らかにする。







