はり・きゅうで健康保険を使うには、事前に医師に同意書や診断書を書いてもらう必要がある。たとえば、交通事故でむち打ち症になって整形外科に通っていたが、なかなか痛みがとれないので、主治医である整形外科医に同意書を書いてもらって鍼灸院での治療に切り替えるといったケースなら健康保険の対象になる。しかし、整形外科でも治療を受けながら、同じむち打ち症の症状緩和のために鍼灸院に通っても健康保険は適用されず、はり・きゅうの治療費は全額自己負担になる。

 健康保険が使えるのは原則3カ月で、それを超える場合は、改めて医師の同意を得なければならない。この場合の同意は、書面ではなく口頭でもよい。

<マッサージ>

 街中で「手もみマッサージ」「指圧」「リフレクソロジー」などのマッサージもよく見かけるが、健康保険の対象となるのは「あんまマッサージ師」の国家資格をもった人の施術だけだ。

 対象になるのは、「関節拘縮」「筋麻痺」の2症状に対する施術で、具体的には骨折や手術後の障害、脳血管障害の後遺症など。たんなる肩こり、腰痛、疲労などを理由にマッサージを受けても健康保険の対象にはならない。また、はり・きゅうと同様に、医師の同意書や診断書が必要だ。

 マッサージがはり・きゅうと違うのは、同一の病気やケガで病院や診療所を受診していても健康保険を併用できる点だ。

 たとえば、脳梗塞の後遺症の治療で病院に通っている最中でも、主治医の同意があれば、あんまマッサージの医療費も健康保険を使うことができる。利用できる期間は、はり・きゅうと同様に3カ月までで、それを超える場合は改めて医師の同意を取り付ける必要がある。

<整骨院・接骨院>

 柔道整復師の国家資格をもつ人によって施術が行われるのが整骨院・接骨院だ。健康保険を使えるのは、骨折、不全骨折(骨のひび)、脱臼、打撲、捻挫の5つのケガの治療のみ。筋肉疲労や腰痛などで治療を受けても健康保険は使えない。

 整骨院・接骨院では医師の同意書なしで治療を受けられるが、骨折、ひび、脱臼の治療については診断が難しいため、緊急時を除いて医師の同意を得る必要がある。また、病院や診療所で同一のケガの治療を行っているときに、整骨院・接骨院で施術を受けても健康保険は使えない。併用した場合、整骨院・接骨院での治療費は全額自己負担になる。