中国取材の連絡手段は
すべてウィーチャット

 日本から中国に出発する前、事前のアポを取るのも、現在の私の連絡手段はすべてウィーチャットだ。ウィーチャットで連絡すると、パソコンメールから連絡するよりも数倍、やりとりが速い。パソコンメールだと返信に何日もかかる人が、ウィーチャットだと早ければ1分後、遅くても5~6時間後くらいには返信が来るからだ(中には非常に返信が遅い中国人もいるので、全員がそうだとはいえないが…)。

 ウィーチャットはパソコンでもできるが、ほとんどの人はスマホにインストールし、パソコンよりもスマホでの利用時間のほうが長い。だから週末だろうと深夜だろうと、スマホを見ていれば返信をくれる。電話と違って相手に負担をかけることもない。フェイスブックのように「開封」したかどうかが相手にわからないので、見てすぐに返信できなくても、プレッシャーがかからない。

 だが、メリットばかりではない。メッセージがどんどんたまっていくと、返信し忘れるというミスが生じやすい。多忙なビジネスマンや経営者になると、ウィーチャットのメッセージが50個以上、100個以上、たまに500個もたまっていることがある。

 前述したように、グループチャットなどで自分が途中から関わらなくなっているものや、学校の父兄同士、高校の同級会のグループチャット(30人以上)もあり、いちいち返信が不要のものもあるからだ。「開封した」かどうかがわからないので、返事が来ないと、相手が見たのかどうか不安になり、催促すべきか迷ってしまう。それに、早く簡単に連絡ができるのはよいが、「よく考えてから行動する」にはウィーチャットは不向きだ。

 日本人の中国ビジネスではよく「石橋を叩いて渡るので決断が遅い」といわれることがあるが、逆に中国人は「走りながら考える」「やりながら軌道修正する」ことに慣れているので、何かを始めるとき、いざ蓋を開けてみると「何の準備もできていなかった」ということがある。慎重に考えてから返信をする日本人と、気軽に返信する中国人の性格が、メールとウィーチャットというツールに端的に表れているのかもしれない。