サッチャーさんの言うとおり

 また、同じことは先進国内の格差でもいえます。貧しい人が貧しいのは、金持ちが搾取しているからではありません。多くの貧しい人は失業しているのだから、むしろ企業などに使ってもらえないから貧しいわけです。

 もちろん、だからといって貧しい国をほうっておいていいわけでも、日本の中の貧困問題を放置していいわけでもありません。実際、世界の先進国は最貧国を救うためにさまざまな援助をしています。日本だって経済的に貧しい人や地域にさまざまな補助が税金から支払われています。

 しかし貧困問題の矛先を金持ちや大企業に向けることはまったくもって何も問題を解決しないのです。イギリスの元首相のサッチャーが言ったように、金持ちをいじめて貧乏にしても、もともとの貧乏人はもっと貧乏になるだけなのです。

 

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