設計監理契約を結ぶ前に
マンション管理組合がすべきこと

 これら二つの例は、幸運にも談合リベートの餌食にならずに済んだという数少ないケースだ。

 多くの場合、疑わしくても白紙撤回に向けての煩雑な手続きが困難で、泣き寝入りするしかないというのが現実だろう。こんなことがいまだに行われている状況に呆れるばかりだが、大規模修繕工事の施主であるマンションの区分所有者、管理組合ができることで、まだ十分になされていないことがある。

 それはマンション管理にもっとシビアな目を持つということだ。

 積立金として先払いをしているので、ピンとこないかもしれないが、これは誰かがしてくれる慈善事業ではなく、自腹で行う工事なのだ。100万円、200万円の買い物をするのに商品を注意深くチェックしない人はいないはずだ。

 設計事務所や工事会社の実績や評判を様々なウェブサイトで調べることは、時間さえあれば自分でできる。シーアイピーも「みんなの管理組合.com (https://みんなの管理組合.com)」を運営している。ここには、実際の管理組合が直面してきた諸問題を、各分野の専門家が多角的に答えてきた知恵が蓄積されているので是非参考にしていただきたい。

 少なくとも、今回ご紹介したように 1)談合リベートが日常化していること、2)談合リベートを許せば工事金額は不当に高額になること、3)大規模修繕工事は特別な問題のない限り、12年ごとである必要はないことを全区分所有者が共通認識として持っていていただきたいところだ。

 この共通認識があれば管理組合はもっと活発になる。管理組合総会も理事会も、出席は白紙委任状が大半で管理会社任せ、大規模修繕委員もなり手がいないので管理会社に委託というマンションは、談合リベート軍団の格好の餌食なのだ。

(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)