しかしたまたま、私の著書を読んでくださった理事の一人が「3億円」は高すぎると思い、その5社の見積もりをじっくりと比較検討してゆくうちに、次のような「出来レース」の痕跡を発見したのだ。

じっくり見れば素人でもわかる
お粗末談合見積もりに呆れる

 それはシーリングにかかる経費の部分で、5社の見積もりはそれぞれ次のようだった。

社名 数      単価    金額
A社 850(m)  6,500(円) 5,525,000(円)
B社 910(m)  6,300(円)   5,733,000(円)
C社 1,050(m) 6,600(円)   6,930,000(円)
D社 980(m)    7,100(円)   6,958,000(円)
E社 1,100(m) 7,000(円)   7,700,000(円)

 お気づきだろうか?

 数と単価は、もっともらしく各社微妙に異なるものの、独自の計算の積み上げではなく、同じ雛形をもとに適当に数字をバラしたものであるという明白な証拠がここに現れている。数字だけは、数、単価とも異なるのに、仲良く同じ“間違い”をしているのだ。

 各社とも数と単価が反対なのだ。シーリングのメーター数やシーリングの単価さえ知っていれば、小学生でも見破れるカンニングレベルだ。舐められたものだが、このミスによって契約解除をすることができ、新たなコンサルによる戸当たり100万円以下の予算で工事を行う見通しが立てられたのだから、このマンションはラッキーな例といえよう。

 この例のようにコンサルに対する不信感が生まれない限り、管理組合はコンサルを信じて、結局コンサルの意中の施工会社で工事が進み、2億で済む工事に、虎の子の3億の積立金の全額をはたくことになる。

設計コンサルタントは
談合の司令塔

 上乗せ1億はリベートの総計ということになる。いくらなんでも、そんなことはできないだろうと思われる向きもあるだろう。