こうした発言に対し中央日報は、過去には韓日両国間に葛藤が生じたとしても、韓日議員連盟所属議員の間で公式的な発言を控えたり、迂回的な表現を使うのが常であったが、今回の「額賀議員の発言内容は普段の額賀スタイルとは違ってとげがあった」と解説している。

 確かに、昨年12月11日に開かれた日韓・韓日議員連盟の総会の共同声明では、慰安婦合意について明確には触れられておらず、「両国の歴代政府の趣旨にそって、両国政府はともに努力することを確認」したという表現に留まっていた。筆者は、慰安婦合意が日韓間の大きな懸案になっている折でもあるし、韓国国民にもっとしっかりと日本側の考えを伝えてほしいと思ったものである。

 新年行事に出席し、額賀氏の挨拶を聞いた宋永吉韓日議員連盟副会長は、「慰安婦合意は調整が避けられない」と述べながら、文大統領の立場を代弁した。同議員は日本との関係を重視しているが、思想的には左翼系であり文大統領とも近い。額賀会長の発言を文大統領にどう伝えたであろうか。

朝日の元ソウル支局長の批判を
韓国保守系メディアが紹介

 また、同紙は、「『知韓派』日本言論人が見る最近の日韓関係」と題する記事で、朝日新聞の箱田哲也論説委員のインタービューを掲載している。

 箱田氏はこの中で、「文在寅政権には責任ある姿勢でこの問題に終止符を打とうとする考えがあるのか疑わしい(中略)2015年の日韓慰安婦合意には日本側の責任とおわび、反省が明確に込められている(中略)歴史問題に強い執着を見せる安倍政権が事実上、国家としての責任を認めたのは『歴史的な事件』だった」「合意に含まれていた『不可逆的な解決』という表現は韓国側が先に提案した。責任と謝罪に対する立場を覆すような言動をしてはならないという意味だった」と述べたのを紹介している。

 韓国のメディアはこれまで、自己中心的な論理で固められ、常に自分たちが正しいと主張し、日本側がどのように考えているかについて“無頓着”を決め込んできた。それが、朝日新聞の元ソウル支局長の批判を紹介したのは画期的である。そもそも韓国の保守系メディアは、文政権の親北姿勢を警戒しており、率直に批判するようになっていたが、それが日韓関係にも波及してきたのは驚きである。