不正会計で揺れるオリンパスの提携先探しが大詰めを迎えている。多くの企業がラブコールを送るなか、既報のとおり、ソニーが最有力候補として浮上、最終調整を進めてきた。だが、土壇場で他社が猛烈な巻き返しに出ており、予断を許さない。提携先をめぐるオリンパス争奪戦の全内幕を追った。

オリンパスとの提携交渉が大詰めを迎えている。一歩抜け出したソニーの勝算は何か
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 1月19日、東京・大手町にソニーの会長兼社長CEOハワード・ストリンガー氏が姿を現した。オリンパスのメインバンクである三井住友銀行の國部毅頭取に挨拶するため、これまで交渉窓口になっていた吉岡浩副社長と通訳を従えて訪問したのだ。「トップ自らの意思で提携交渉をやり切る」(ソニー幹部)という、強いメッセージを伝えるのが目的だった。

 ストリンガー氏の行脚は続いた。

 この週、オリンパスを支える銀行団に対しても、自ら具体的な出資や提携スキームについて詳細に説明し、「ソニーは最大1500億円を出資する準備をしている」と念を押した。一部報道で「2~3割出資」と、報じられたのはこのためだ。現行の株価にプレミアムを乗せればこうはじき出される。

 ただ、ソニーが力点を置いたのは、資金面ではない。他社の追随を許さない「電子の眼」であるイメージセンサー技術を使った新しい内視鏡や、手術室で使う高精細なモニターの開発など、ビジネスチャンスが広がることを説明したという。

 実際、オリンパス側とは早ければ27日までに「業務提携」を発表するシナリオを描いていた。そこでは、いくら出資するかという“カネ”ではなく、新しい技術により“モノ”を作ることで、双方の技術者など現場レベルでシナジーを得られると周知させるものだ。

 「“ラブレター”はすべて送った。あとはボールが返ってくるのを待つだけ」(ソニー首脳)。彼らは長期出張を差し控えて、1月末を迎えようとしている。

 不正会計発覚による決算訂正で、自己資本比率が大きく目減りしたオリンパスは、安定したビジネスの継続のため、資本増強を含む他社との提携関係を模索してきた。