「ハッカソン」が成功を招く
スティーブ・ジョブズは緊迫感を生み出す名人だった。
ジョブズは「現実歪曲空間」を創りだし、チームに不可能な仕事とありえない締め切りを与え、「きっと可能だし、やらなきゃならない」と部下を説得していた。
彼はありえないような期待を奇跡的になんとか実現させていた。
大きな成功を収めているスタートアップはみな、何らかの形で現実を歪曲している。
おカネがほとんどない中で、ちっぽけなチームが、グーグル、フェイスブック、アマゾンといった、うなるほどリソースのある巨人に立ち向かうには、それしかない。
短い締め切りを設定することには、大きな価値がある。
そのいい例がハッカソンだ。
起業家とプログラマーとデザイナーが1組になり、24~48時間の間に新しいプロダクトまたはサービスを考える。
一晩か二晩徹夜して、ブレインストーミングとデザイン、プログラミングを行うと、目覚ましい結果が生まれることがある。
買い物アプリの〈カルーセル〉とタクシーアプリの〈イージータクシー〉は、そんな中から生まれたサクセスストーリーだ。
以下のスタートアップもまた、ハッカソンの勝者だ。
・グループミー……スカイプに8000万ドルで買収された
・エアポスト・ドット・アイオー……ボックスに買収された
・アぺタス……グーグルに買収された
・スリックログイン……グーグルに買収された