イノベーションは短距離走
イノベーションの短距離走のための僕流の方程式をここに書いておこう。
まずは、イノベーションのプロセスをいくつかの短距離走に分け、定義づける。
それぞれの短距離走には、はっきりとしたゴールがなければならない。
たとえば、「顧客ニーズの発見」「ビジネスモデルの証明」「プロトタイプ作り」といったことだ。
スタートアップのプロセスにおける段階はいずれも、短距離走として定義できる。
ここにいくつか例を挙げてみよう。
・イノベーションが起きそうな分野をランダムに掘り起こす
・新しい製品のアイデアを出す
・有効なビジネスモデルを開発する
・市場があることとその規模を検証する
・使えるプロトタイプを作る
・ユーザーからフィードバックを得る
・プロダクト・マーケットフィットを証明する
・マーケティングのキャンペーンを設計する
・事業のツテになりそうな人に連絡をとる
・売り込みのプレゼンを作る
短距離走のテーマができたら、チームを集め、きつい締め切りを設定し、走り出そう。
最後にどんな結果を出すべきなのかをはっきりと書き出し、全員に何が期待されているかがわかるようにしておこう。
チームの競争心に火をつけたい場合には、コンテスト形式にしてもいい。ハッカソンがそうだ。
ライバルチームを走らせ、勝ったチームがご褒美を受けとり、みんなに認められる。
社内でも同じことができるし、このやり方でやる気を上げ、会社全体に刺激を与えることができる。
すべての事業部門から審査員を集めてフィードバックを与えてもらったり、イノベーションチームの生み出したものに新しいアイデアを足してもらうこともできる。
何よりも、これを楽しいものにしてほしい。
この短距離走は前向きな挑戦でなければならない。
チームメンバーに苦労させるだけのつらい訓練であってはならない。
ハッカソンでは食事、飲み物、音楽、ピザが振る舞われる。
そんな楽しい雰囲気が参加者の気分を盛り上げ、やりがいも生まれる。