「ほめて」育てるだけではダメ?
新たなステージを迎え、以前のステージから特に変えるべき意識・行動が出てきます。変えるべき意識・行動には、「抑える」ものと「伸ばす」ものがあります。
「伸ばす」については言うまでもありませんが、「抑える」は聞き慣れないかもしれません。
簡単に言うと、これまでの意識を卒業する、これまでやっていた言動をやめるということです。トランジションには苦労がつきもですが、それは「伸ばす」だけでなく同時に両輪として「抑える」必要があるからなのです。
【核心となる意識・行動の例】
1. スターター(Starter)へのトランジション
・抑える:必要なことは教えてくれるもの、与えられるものという「待ち」の姿勢でいる
・伸ばす:自分(部下自身)の言動が相手にどう伝わるかを意識する
2. プレイヤー(Player)へのトランジション
・抑える:できない理由ばかりを並べて、できることは何かを探そうとしない
・伸ばす:相手の言わんとしていること(内容、意図、期待)をしっかりと聴き、把握する
3. メインプレイヤー(Main Player)へのトランジション
・抑える:関係者やチームワークに気を配らず、自分の仕事ばかりに没頭する
・伸ばす:関係者に自ら働きかけ、協力を引き出せる関係性を築く
4. リーディングプレイヤー(Leading Player)へのトランジション
・抑える:他のメンバーを動かすよりも、自分で直接手を動かすことで仕事をこなしてしまう
・伸ばす:課やチームが最大の成果を上げるために、今自分が最もやるべきことは何かを考える
「抑える」と「伸ばす」を両輪とし、部下を成長させる
いつまでも学生気分が抜けず、お客様状態でいる新入社員、自分の仕事にしか関心のないベテラン。すぐに仕事を抱え込んでしまう管理職手前の人。どの職場でも見かける光景ですが、この「抑える」マネジメントをそれぞれの部下に対し、意識的に行うことが、部下の成長を促すことにつながるということなのです。