お客様のいいところを瞬時に探す

 接客では、なにかしらお話をしなくてはなりません。朴訥でもいいので、きちんとした会話をすることです。

 一方的にこちらの言いたいことだけを押しつけるようなトークは、絶対にしてはいけません。こちらの言葉は短く、お客様に長く話していただくように心がけるのです。会話を楽しくするために話をしながら、お客様のいいところ、素敵なポイントを見つけてください。

 お客様のいいところを瞬時に探し出して、「感じのいい方だな」「ネクタイがとてもお似合いだな」といった気持ちを持つと、自然に営業する側にも笑顔が出てくるはずです。それが、いい接客につながるのです。

 なにも、むやみやたらと誉めろというのではありません。若い営業が、お客様を誉めるとかえって失礼になることもあります。

 お客様のいいところを見つけて、心で感じることです。「このお客様はセンスがいいな」と思って接すると、それがお客様に伝わります。接客のコツは、リスペクトです。

 すべてのお客様は「Aホット」(最高の見込み客)であり、思い込みを捨てて接客するには「お越しいただき、ありがとうございます」という感謝の気持ちがベースとなります。

 次に、この感謝の気持ちを少し発展させていきます。お客様のいいところを見つけ、「お客様をリスペクトする」ところへ高めるのです。

お客様の何気ない一言からニーズを探る

 接客は、パターンがあるようでありません。

 基本は、どのお客様も同じように大切に扱うこと。こちらの感謝の気持ちをお伝えすること。そして、お客様をリスペクトすることです。

 そのために会話をしますが、世間話、趣味の話、そして商品についても話が出ます。でも、このときはまだ、一般論。買う、買わないといったことには踏み込みません。

 ただし、こうした会話が楽しくなってくると、お客様は少しずつ情報を出してくれるようになります。その情報を聞き逃さないことです。