「まだ、買う気はないんだ。来年の車検までは……」とか、「うちの息子が大学を卒業すれば、考えようかな……」など、お客様の事情や、考えが垣間見えてくれば最高です。来年車検なら、それは初めての車検なのか。車種はなにか。きっと話の中で、徐々に教えていただけるはずです。お子さんが大学生でしたら、もしかすると免許を持っているかもしれません。そうした話から、営業の展開も見えてきます。

お客様の考えを1秒でも早く引き出す

 商談を通じて1秒でも早く、お客様の考え、ホンネを引き出さなければ先に進めません。かといって焦っても、お客様は心地よくないのでホンネをなかなか言っていただけません。

 そのためには、自然体でお話をし、できるだけ早い段階でお客様との共通点を見つけることです。出身地、学校、仕事、趣味など、なんでもいいのです。

 なんとかして、お客様と自分の距離を縮めていかなければなりません。だいたい、1時間から1時間半ぐらいかけてじっくりとお客様の話をうかがいます。
お客様の苦労話、成功話などまでうかがえるようになれば、かなり距離が縮まってきた証拠です。

 営業とは、営業マンを通して商品を見ていただくことです。まずは営業の存在が、お客様にとって心地よいものでなくてはならないのです。同じ商品なら、いやな人よりも、いいなと思う人から買いたいのが人情です。

 営業がそのような雰囲気を提供できれば、売れる確率が高くなっていきます。ただし、自然にそうした雰囲気を出せるように、経験を積んでいくことも大切です。わざとらしい雰囲気づくりは、目の肥えたお客様にはすぐ見抜かれてしまいます。

 演技をするよりも、素直に感謝の気持ちを一生懸命に表現すればいいのです。挨拶、名刺交換、気配りなどで感謝を示すのです。若いうちは、多少ぎこちなく、わざとらしくなってしまったとしても、「すみません」と謝れば許していただけることも多いでしょうから、たくさんの経験を積んで上達することです。

 


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