「もともと、たいして才能ある野球少年ではなかった」――自身のことをそう振り返る福岡ソフトバンクホークスの現役エース・和田毅投手。スポーツ万能というわけでもなく、天才的なセンスがあるわけでもない彼が圧倒的な結果を出せている理由は何なのか? 球界きっての「思考派」と言われる和田氏の連載「練習について僕が思うこと」の第9回は、「若手との自主トレで気をつけていること」。(構成/田中周治 写真/繁昌良司)
後輩と「練習」するときに、年長者として意識すること
僕らプロ野球選手のほとんどは、毎シーズンオフの期間を、2月から始まる春季キャンプに向けた身体づくりのための「自主トレーニング」にあてている。以前は、正月明けから1月末まで自主トレをするのが普通だったが、最近は12月中旬あたりから海外などに行き、本格的に始動する選手が増えてきているように思う。
トレーニングでは練習相手が必要なので、たいていの場合、何人かの選手で集まって行うのが一般的だ。僕も毎年のように数名の若手選手とともに汗を流している。