「もともと、たいして才能ある野球少年ではなかった」――自身のことをそう振り返る福岡ソフトバンクホークスの現役エース・和田毅投手。スポーツ万能というわけでもなく、天才的なセンスがあるわけでもない彼が圧倒的な結果を出せている理由は何なのか? 球界きっての「思考派」と言われる和田氏の連載「練習について僕が思うこと」の第10回は、「アドバイスを聞くときの心がまえ」などについて。(構成/田中周治 写真/繁昌良司)

ソフトバンク和田投手「不調時のアドバイスこそ受け流す勇気を」

人からアドバイスされるのがニガテ…

 前回の連載では、ともに自主トレーニングに励む若手選手との関係について話した。一緒に練習を重ねていくと自然と、彼らの投球フォームに関して、僕なりに「自分だったら、もっとこうするんだけどなあ」と目につく点が出てくる。しかし、僕は自ら積極的に彼らにアドバイスはしないように心がけている。助言をするのは、後輩たちからの質問を受けた場合のみだ。

 その理由は記事にも書いたとおりだが、振り返ってみると、僕自身、人からアドバイスを受けることがあまり得意ではなかったように思う。