無印良品が展開を始めた「道の駅」風施設には一体、どんなものが売られているのか――。「無印良品」を展開する良品計画は千葉県鴨川市に道の駅風施設「里のMUJIみんなみの里」を開いた。良品計画が同施設・鴨川市総合交流ターミナルの指定管理者となり、運営を始めたのだ。「あの無印がなぜ道の駅みたい施設を?」。そんな疑問を抱きつつ現地に向かうとそこには地域活性化の将来像を予感させる仕掛けがあった。(流通ジャーナリスト 森山真二)

無印良品が運営する
「みんなみの里」

無印良品が運営する道の駅風施設「里のMUJIみんなみの里」の店内みんなみの里の店内、農産物の直売所

 みんなみの里は生活雑貨店である「無印良品」、「農産物、水産物を扱う直売所」、そして「開発工房」の3棟で構成されている。

 無印良品の売り場面積は約160平方メートルで、どこにでもある衣料品、日用品、雑貨、食品という商品構成で無印の小型版といえる。

 農水産物の直売所の内装は農家スタイルだ。直売所にはカフェレストランである「Cafe&Meal MUJI」が併設されている。

 気になる直売所だが、無印が運営しているだけあって、他の道の駅や類似の施設に比べ、加工食品が多く見受けられた。

 定番の青果物、コメ、水産加工品はもちろん、県外利用者に対応したお土産需要の菓子、さらに地元、鴨川市の生産者の食材を使った「プリン」(価格260円)や「シフォンケーキとうふ」(同240円)、さらに鴨川市の業者が製造する「アイスミルク(ピーナッツ)」(同300円)、「びわゼリー」、「びわプリン」といった商品、手製の「レモンケーキ」「フィナンシェ」と加工度が高い商品が複数並ぶ。ほとんどが鴨川市内の業者が製造している商品だった。

 現在は、良品計画のバイヤーが商品を探して仕入れたり、「こんな商品は作れませんか」と提案して作ってもらったりしたような商品が多いと見られるが、「みんなみの里」では「開発工房」という製品の開発拠点も備えており、地元産の食材を使った商品の開発、製造をこれから本格的に行う予定だ。