下手な人は「自分が見ている画像」を、
上手な人は「地図」を思い浮かべる

　徹子さんほどの名司会者ですから、徹子さんは番組を盛り上げるため、あるいはプライバシーを守るため、わざと下手に説明した可能性が高いです。

　ですが、徹子さんが本当に道順の説明が下手だったと仮定して、細かく分析してみましょう。

　人は何かを説明する時、頭の中に画像のようなものを思い浮かべて、それを言葉で説明しているはずです。人によっては、動画という場合もあるでしょう。徹子さんの場合は、頭に「自分が道を歩いている時に目で見ている画像」をイメージして、道順を説明していたはずです。そのため、「道を真っすぐ歩いて曲がる」という説明になるのです。

　一方、道順の説明が上手い人はというと、頭に「地図」という画像を思い浮かべて説明します。そうすれば、タモリさんと徹子さんの家の距離を説明する場合、「直線距離だと300ｍぐらいだと思うけど、多少、道が大回りしているから500ｍぐらい歩く感じ」といった具合の説明なっていたでしょう。

　この説明の方が、どれぐらい近いかがわかりやすいですよね。つまり、説明がうまくなりたければ、適切な画像を頭に浮かべる訓練が必要なのです。