放送を20回も見た⁉

編集:「しかも、事前に放送内容を知らなかったそうですね」

志麻:「そうなんです。ディレクター、カメラマン、音声の3人の方に40日完全密着していただきながら、どの部分がどう使われるかわからなかった。だから、もうドキドキで眠れませんでした

編集:「そうだったんですか! しかし、ディレクターの築山さんの番組作りと志麻さんに賭ける想いはすさまじいですね。
 久しぶりに、あんなに優秀で熱いディレクターさんにお会いしました。放送後、私も何度も見て、寝不足になった。『プロフェッショナル』好きな私でも、こんなことは経験がない。映像からなにか熱いものをひしひしと感じたんですね」

志麻:「実は、築山さん、山口の実家に帰った時の取材中に、私の両親にこんなことをおっしゃっていました。
『こんな真夜中に志麻さんのことを考えているのは、世界中にロマンさんと僕しかいないはずだと思って、やっています』と。
 その時は、単なる冗談かと思っていましたが、番組を見終わった時に、その意味がわかりました。それだけ築山さんは、この番組に想いを賭けて、日夜問わず、どう描くか考え続けてくれていたんですね。実は放送後に私、20回も見てしまったんですよ」

編集:「20回も! それは異常ですよ!笑」

志麻:「もういろんなことがありがたすぎて、何度も感謝を噛みしめてしまいました。最初に見た時は、ただただドキドキして見ていましたが、落ち着いて見返すうちに、昔を振り返るシーンや、インタビューに答えてくれるお客様の顔を見て泣けました。
 10代で海外に修業に行き、フランスの調理師学校時代から今まで周りの人を振り回してきた。なのに今は、こんなにお客様に支えられて生きている。お世話になった恩師、両親の顔が浮かんできて……」

編集:「そうですか。そうですか」