おそるべき真之介パワー
編集:「それと印象深いのが、愛息・真之介くんの神聖な目つきです。放送時は1歳にもなっていない頃でしょう? なんであんなにピュアな瞳で人を見つめるでしょう? あんなできた赤ちゃんは、なかなかいないのでは?」
志麻:「うちの子に限らずですが、赤ちゃんの眼差しは本当にまっすぐで心が洗われますよね。息子は人見知りをせず、誰でもじーっと見つめるので、余計に印象的だったのかもしれませんね」
編集:「はい。うちの子たちは、0歳の頃は人を見ると泣きじゃくっていました。ましてやテレビ撮影や書籍の取材となれば……。でも、志麻さんの息子さんはお腹に入っている頃からお利口さんでしたし、出産後も本当に取材を邪魔しないですよね。処女作『志麻さんのプレミアムな作りおき』のレシピ撮影時にはお腹にいたんですよね。もう1歳過ぎたんですか! いやーほんと素晴らしい」
志麻:「そういえばそうでしたよね。そして出産後の病院ですぐにゲラチェック。大変でしたが、楽しかったです!」
編集:「バタバタですみませんでした! 改めてNHK『プロフェッショナル仕事の流儀』を拝見し、志麻さんの処女作を作った時、私がこんな想いを本にとじこめたい!! と思ったことを、ディレクターの築山さんをはじめとするスタッフの方々がしっかり描いてくださった。それが何より嬉しいです」
志麻:私が伝えたいことは、本の中でも今回の放送でも一貫しています。家族の食卓を通じて、フランス人が最も大切にする、あったかい料理でゆっくりくつろぐ時間を大切にしていただきたい。たとえ日々多忙でも、1日1時間だけ家族みんなで楽しめる豊かな食卓があれば、どんな疲れだって吹っ飛ぶ。その瞬間をみなさんで共有いただけたら、その想いだけなんです」
編集:「本当ですよね。仕事をやっているお母さんもやっていないお母さんも等しく多忙。子どもを育てながら家事・料理をする。本当に世の中のお母さんたちの苛酷な状況を、志麻さんの取材を通じて嫌というほど見てきました。志麻さんが、従来の『家政婦』という職業のイメージを根底から変えていると思います」
志麻:「私もフランスを心底好きになって、文化・歴史・食材・料理・国民性などを深く学ぶうちに、フランス人から学んだことが本当に多いんです。フランス人の人生を楽しむ豊かさを少しでも伝えられたらと思います」
編集:「おっしゃるとおりですね。次回は、日本の有名フレンチレストラン時代をよく知る方の秘話を教えてください」
志麻:「わかりました」
編集:「楽しみです!」
彩りあざやかで、冷蔵庫の少ない食材でできる志麻さん「プレミアムレシピ」の数々は、連載第1回を、ぜひご覧いただければと思います。