そのビデオを見て、涙を流す新入社員もいます。その今の気持ちを書き留めてもらい、その中から今後仕事をしていく上で忘れずにいたい気持ちをひとつだけ文章化してもらうようにしています。同時に、弊社の企業理念に抱くイメージを絵にしてもらいます。自分で描いてもいいし、イメージぴったりの画像を探してもよいことにしています。最後に、ひとつだけ選んだ言葉とイメージをカードにして、普段身に付けているIDカードケースに入れさせています。どれだけの効果が期待できるかはわかりませんが、何かの瞬間にそのカードを作成した時のことを思い出して、薬の向こう側にいる患者さんへ貢献したいという初心を思い出してもらいたいと思っています。

仮想の現場である「委員会」で
自発的なアクションを引き出す

島村 この会社、業界に入った意味を自分事として理解できそうですね。忙しい現場に出ても、カードを見ると、思い出すきっかけになります。初日にビデオを見せて、その後の新人研修では、どのような教育を行っていますか。

原田 研修というと、どうしても学習ばかりになりがちですが、弊社の研修センターのスローガンはもともと「自発」と「自律」を掲げており、それをより体現する目的で2017年から委員会活動を導入しています。委員会活動に積極的な会社があると伺い、導入に当たっての留意点などを教授頂いた上で、当社流に取り入れたものです。具体的には学習運営委員会、企画広報委員会、健康管理・環境整備委員会、マナー・コミュニケーション力向上委員会の4つの委員会を、自分たちで運営させます。委員会ごとに目的・目標をどこに設定するか、どうやって達成するかを自ら考えてもらいます。

島村 その目的は何でしょうか。

原田 委員会活動は、仮想の現場と考えています。そこでいろいろなことに気付き、自発的・自律的にアクションを起こすことの大切さを学んでもらうことが目的です。現場での適応力を上げていきたいと思っています。

島村 たとえば企画広報委員会では実際に、どのようなことをしているのでしょう。

原田 社内の身近な話題をイントラネット内で共有する「T'sオープンカフェ」というWeb版の社内報があります(広報室が運営)。研修中の様子などを毎年投稿しているのですが、記事の内容を含めて企画広報委員会のメンバーが取り仕切っています。配属前に社内に対して自分達自身をアピールするよい機会にもなります。