多様性、教科横断的学習…
イエナプランの斬新さはどこにある?

「移住してでも子どもを入れたい」長野に開校予定の欧州流小学校イエナプラン教育に基づく大日向小学校(設置認可申請中)の教室完成イメージ図。サークル対話を行う場所、グループ作業する場所、1人で学ぶ場所などがある

 同校の建学の精神は、「誰もが、豊かに、そして幸せに生きることのできる世界をつくる」というもの。その実現のため、イエナプラン教育のコンセプトを取り入れ、「個を尊重する」ことから始まる教育が計画されている。

 その特徴の1つは、異年齢での学習活動だ。3つの学年の子どもたちとグループリーダー(教師)で1つの活動グループ(クラス)を構成。このグループをベースに、4つの基本活動「対話・遊び・仕事(学習)・催し」を循環させる時間割で学ぶ。

「学校は、社会に出る前の練習の場、いわば『小さな社会』です。現実の社会を反映し、異なる年齢、異なる成長過程、異なる性別などの多様性を受け入れる共同体でなければならないと考えています。その中で、私たち人間が多様な存在であること、そして多様な人たちが共に生きるにはどうしたらいいのかを学んでいきます」(佐久穂町イエナプランスクール設立準備財団 宅明健太さん、以下同)

 同校の学習には、教科学習中心のブロックアワー(自立学習・基礎学習)と、教科横断的に学ぶワールドオリエンテーション(協働学習・総合学習)の2種類がある。

 ブロックアワーでは国語や算数などの各教科について学ぶが、教師が全員を対象に一方的に講義して進める授業ではなく、必要な子どもを集めて小さなインストラクション(教師からの説明)を随時行い、そこから子どもが自ら発展的問題に取り組むなど、自分の学習進度に応じて自立的に学ぶ。異年齢集団なので、例えば「かけ算」のインストラクションには2年生のほか3年生が参加するなど、理解不足だった部分を補うこともできる。

 一方のワールドオリエンテーションは、「イエナプランのハート」と呼ばれ、イエナプランスクールで非常に重視されている授業だ。実際に世界で起こっていることについて、「不思議に思うこと、好奇心を抱くこと、学び方(プロセス)を学ぶこと、そして、批判的に考えること」などに主眼を置いて学習するという。例えば、教室にニワトリを連れてきて、「ホンモノの情報源」を通して子どもたちの不思議に思う気持ちや好奇心を刺激し、「ニワトリは1週間に平均何個の卵を産むのだろう?」など、たくさんの問いを引き出す。それらの問いに取り組むことで、思考力や創造力を育んでいく。