投資を呼び込みサウジアラビア経済を改革しようという同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(33)の計画は、深刻な危機に直面している。その原因は、同国人の反体制派記者が在トルコのサウジアラビア領事館に入ったあと行方不明となり、殺害された可能性もあるとされる事件だ。2日に起きたジャマル・カショギ記者の失踪についてトルコの当局者らが、サウジが関与していると非難したことを受け、外国人投資家らはムハンマド皇太子との関係や、同皇太子が主導する経済改革計画への参加について再考し始めている。サウジの実質的支配者であるムハンマド皇太子が、米政府、欧州、中東に強いコネクションを持つカショギ記者を標的にしたとみられることで、サウジの安定が危険にさらされていると懸念する声も出ている。サウジ政府は、カショギ氏の失踪について、一切の関与を否定している。