「速やか」と言っても、もともと生活保護法24条に定められている「申請から14日以内(特別な事情のある場合に30日以内)」という期限を守ることを求めたのみである。この期限は、実際には守られていない自治体が少なからずあり、手持ち金が500円しかない申請者を1ヵ月近く待たせた事例もある。だから2009年12月、通知が発行されたのだ。

 片山氏はこのとき、生活保護法にもともと期限が定められていること、さらに同法は緊急の際には職権で急迫保護を行えることを定めていることを理由として、長妻昭氏本人に通達の撤回を求めた。さらに、この通達が「不正」の温床となっている可能性を以下のように述べた。

「この人、本当に偽装離婚じゃないのかな、資産ありそうに見えるよな、というような人に、ぽんと1週間で出す必要ないんですよ。ただ、もう実態は完全にそうなっていまして」(片山さつき氏)

「(筆者注:社会保障制度改革法で)不正な手段による保護を受けた者へは厳格な対処、適正化給付水準、これ見直しって、これは画期的なことですよ」(同上)

 片山氏は続いて、生活保護基準より低い老齢基礎年金、生活保護のもとでの医療の過度の利用、「権利だけが前面に出て義務の方が非常に甘い」制度の利用を「真に必要な人」に限るべき、と発言している。良くも悪くも「これぞ、片山さつき節」だ。

 しかし、片山氏の国会での発言全体を見てみると、そもそも生活保護に言及する頻度そのものが低い。前述の2012年の1件を含め、国会での144回の発言のうち9回、6%である。

社会保障や社会福祉そのものに
関心はあるのだろうか

 直近の発言は、約2年前、2017年1月30日の予算委員会で行われた。片山氏は「子ども食堂」の延長としてフランスの無料食堂「心の食堂」を挙げ、国の制度であるが費用の多くは寄付によっていることを述べた。さらに、「シルバーの活用」によって生活保護世帯・低所得世帯の子どもを対象とした無料学習教室を運営する可能性について述べた。

 日本に、寄付文化を育てて根付かせる必要があることは私も否定しない。誰もの交流の場も必要だろう。高齢者だけではなくすべての人が、「必要とされる自分」という意識とその実体を必要としているはずだ。

 しかし、疑問が残る。社会保障や社会福祉そのものに対して、片山氏は関心があるのだろうか。