>>(上)より続く

通話相手は初対面上等
ある女性の場合

 さてそれでは、実際に寝落ち通話を楽しんでいる人から話を聞いてみよう。

 Bさん(26歳女性)は寝落ち通話で「彼氏を作っては別れ…」を繰り返している女性である。しかし彼氏を作ることを第一の目的として寝落ち通話をたしなんでいるわけではないらしかった。

「夜一人でいると寂しくなるので、誰か話し相手がほしい。異性の声の方が聞いていて安心する。寝落ちもしもしは同性とだと話すのがメインになってしまうことが多いが、異性とは、まったり話すことができて眠気も誘発される」(Bさん)

 では通話の相手は誰かというと、いわば“寝落ちもしもし友達”が複数いるそうで、その中から誰かをセレクトするそうである。

 実は寝落ち通話界において、通話の相手をSNSで見つけることはまったく珍しいことではないようだ。掲示板やSNS上の“寝落ちもしもし”といったハッシュタグで通話相手が常に募集されており、見も知らない完全な赤の他人と「はじめまして」から始まってその日のうちに寝落ちするまで通話をつなげるのである。

 知らない相手に対する恐怖のようなものはないのであろうか。

「それはもちろんあるので、最初はこちらもある程度警戒して接する。下心がある相手はわかるので、そうとわかった時点で即通話を終了すればいい。逆上した相手が暴言を吐いてくればすみやかにブロックするし、こちらのアカウントをさらすこともあるが寝落ちもしもし専用のアカウントを作っているので、さらされても大したダメージにはならない。

 寝落ちもしもし友達はそういうところで知り合った、下心がなく、本当に安心して通話できる人たち。頻繁に寝落ちもしもしして仲良くなった人と付き合うこともある」