突然の株式相場の急落が、1カ月で二度も投資家の不意を突いた。だがこの乱暴なまでの売りは、直感に反するように聞こえるかもしれいないが、株式にとって朗報かもしれない。S&P500種指数は過去1カ月に9.1%下落。より広範なMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI)は8.5%値下がりした。明確な理由はない。金融政策の引き締めや貿易摩擦、米国外の経済指標の弱含みなどが株安を招いたとも指摘されるが、これらの要因は通年を通して存在している。投資家が最も懸念するのは、ここまで10年続いてきた強気相場があとどの程度続くのかという問題だろう。こうした観点から考えると、直近高値から20%以上の値下がりで定義される弱気相場入りが近いとみえる。