WHOが定める基準値以下で、自然妊娠が難しい患者が約1割もいたことに加え、「射出精液の中にまったく精子がない『無精子症』の人も2%いて、中にはこの検査をきっかけに婚約を解消したという男性もいます」(辻村医師)
不妊を意識したことがない男性の中にも、自然妊娠が難しい層がこれだけいる。
「年齢にかかわらず、子どもを望むカップルにとって、不妊は決してひとごとではない」と、辻村医師は警鐘を鳴らす。
ちなみに、「うちの嫁は若いから大丈夫」と安心するのは早計だ。男性も女性ほどではないが、近年不妊に対する加齢の影響が指摘され始めている。
それを示したのが次の図だ。高齢になるほど、精子の数や運動率が下がっている。