個人差があり一概にはいえないものの、基本的には(1)タイミング指導(2)人工授精、それでも結果が出なければ(3)体外受精や顕微授精などの生殖補助医療と、より高度な治療に進んでいき、これを“ステップアップ”と呼んでいる。
価格もこの通りに(1)(2)(3)と“ステップアップ”していき、特に(3)になると、数十万円単位と一気に価格が跳ね上がり、例えて言うなら(3)(2)(1)の順に“松竹梅”コースといったところである。
ただ、重大な不妊の要因が見つかった場合、梅をすっ飛ばして竹、松コースに行く場合も少なくない。
男性の場合、精子が少なかったり、運動率が悪かったりすると、即座に顕微授精を勧められることがある。
しかし、なぜ精子が少なかったり、運動率が悪いのか、その根本的な原因は、現在の不妊治療の主たるプレーヤーである多くの産婦人科医にとって専門外の領域だ。
横浜市立大学市民総合医療センター生殖医療センター部長で、泌尿器科医の湯村寧准教授は「精子の状態が悪い根本的な原因を突き止め、それを治療することで、高額な不妊治療に進まなくても済むケースも少なくない」と話す。
男性不妊の検査内容や治療の流れをまとめたのが次の図だ。