利益は急増し、売上高は拡大し、業績予想の下方修正は通常より少ない。こうした第3四半期決算の内容は、表面上は米産業界の好調さを示している。しかし、一皮むけば、コスト上昇が利益をむしばみ始めており、投資家がインフレに対する懸念を強め始めているという、二つの不安な兆候が見えてくる。まずは良いニュースを見てみよう。金融市場データプロバイダーのリフィニティブによると、第3四半期決算発表シーズンが終わった段階でのS&P500種株価指数の構成銘柄の利益は、前年同期比29%増となる見込みだ。これは過去8年間で最大の伸び率となる。全体の4分の3の企業が決算発表を終えた段階で、利益の水準は、もともと力強い内容だったウォール街の予想をはるかに上回っている。将来の利益予想を下方修正した企業の、上方修正した企業に対する比率は、通常より低くなっている。企業業績は好調なのだ。