週刊ダイヤモンド2月2日号の第一特集は「サブスク革命 定額課金の衝撃」。継続的に顧客に課金し、商品やサービスを利用してもらうサブスクリプション型のビジネスモデルの最前線をレポートしました。元々はビデオやDVDのレンタルをネットで受け付け、宅配していたネットフリックス。2007年にストリーミング配信を開始すると、瞬く間に世界中を席巻し、今や1億3000万人の会員を獲得しています。まさに世界ナンバーワンのサブスク企業といえます。「サブスク化する世界」の第4回は、ネットフリックス日本法人で、コーポレートPRディレクターを務める松尾崇氏に、同社の成長の原動力を聞きました。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)
来年の飛躍へ向け手応え十分
2019年もこのペースが続く
――2018年は、民放で無料の番組を観ることが主なコンテンツ視聴方法だった日本で、定額制オンデマンド動画視聴(SVOD:サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)が本格的に広がった年だったと思います。現状をどのように見ていますか。
今年は非常に手応えのある年でした。2015年9月から日本でサービスをスタートさせて、3年強経ったわけですが、今年ほど有料会員の獲得が進んだ年はありませんでした。全世界で1億3000万人の会員がいます。日本での会員数は公表していないのですが、今年は非常に会員数が伸びた年でした。2019年もこの調子で、良いペースで伸びていくと思っています。
日本は世界でも珍しいくらい、エンターテインメントを日常生活の中で楽しんでいる国だと思います。テレビをつければ、どこかのチャンネルで映画をやっているし、アニメもドラマもある。映画館も多いし、ツタヤさんのようなDVDをレンタルできるお店もたくさんあります。本屋に行けば漫画が充実していますよね。そこに、いつでも、どこでも、好きなものが観られるという私たちのサービスがスタートしました。もう決まった時間に、自宅などの決まった場所で、テレビで視聴しなければならないということはなくなってきました。選択肢が格段に増えたということです。