身長3m!?史上最大の霊長類

「世界一受けたい授業」で話題沸騰!生き物の生存競争ミステリー!

 ああ、食った気しないわぁ……。体はデカいけど、あたしこう見えてベジタリアンなの。最初は今の中国辺りの森でくらしてて、果物もバカスカ食いまくってたんだけどね。

 それが時代とともにすめる森が減って、果物も少なくなってしまったの。で、目をつけたのがササよ。

 正直迷ったわ。周りの動物もきっと「え、姉さんササに手ぇ出しちゃったんすか(笑)」って思ってたはず。それくらいササは栄養がなくて、だれも食べなかったのよ

 それでもあたしは食べた、プライドを捨てて食べたわ。

 でも同じときにあらわれたのよ、パンダのやろうが。あいつら、かわいい顔してものすごい量を食うの!おかげでササがたりなくなっちゃって、体のデカいあたしが先に絶滅したってオチよ。

<こうすりゃよかった>

 ササ以外の食べ物を探して、ちがう場所に引っ越せばよかったわ。

パンダに負けて絶滅した「ギガントピテクス」

 史上最大の霊長類。じつは、わたしたち(ヒト)に近い類人猿だ。ただし、発見されている化石は、巨大な下アゴの骨と歯だけなので、実際の大きさやすがたはよくわかっていない。第四紀に地球全体が寒冷化して森林が少なくなったため、食料不足におちいってしまった。そこで、寒さに強く成長の早いササを食べるようになったが、充分な栄養をとれずに絶滅したと考えられている。

 ほかにも、「世界一受けたい授業」では、「ニホンオオカミ」と「ネアンデルタール人」が取り上げられた。それらについては、過去の記事「読者が選ぶ『最も面白かったページ』ランキング・ベスト3」で公開しているので、あわせてご覧いただきたい。

(本原稿は、今泉忠明監修、丸山貴史著『わけあって絶滅しました。』の内容を編集して掲載しています)