万博に“全身全霊”とはならない理由

 経済産業省の試算によると、大阪万博関連の全国への経済波及効果は1兆9000億円。会場建設費は約1250億円にのぼる。IRでは、開業までに累計1兆5000億円、開業後は毎年7596億円の経済効果と試算(関西経済同友会)される。

 巨額の予算を前に、ゼネコン各社はしのぎを削っている。しかし、全身全霊をささげていると表現するには違和感がある。

「昔ならば、万博のパビリオンの建設はぜひ手掛けたかった。しかし今は、万博そのものが流行るのか疑問」と中堅ゼネコン幹部。パビリオンなど“半年で潰される”ものづくりは、地図に残らないため建設の醍醐味が薄れてしまうのだ。

 加えて、首都圏を中心に再開発案件が多発し、大阪以外でも稼ぐチャンスが広がっている。チャンスは広がるも、「全国から資材・人材を確保する必要がある」(鹿島建設社員)と言うように、人手不足が深刻化している。2020年の東京五輪後も、東京圏では大規模開発が控えており、万博・IR関連と人材需要の時期は重なると予想される。

 故に、夢洲周辺の“お祭り”で終わらない、首都圏再開発ラッシュに重ならない、長期的かつ広範囲な関西再開発ラッシュの兆しがあればそこに飛びつきたい――。建設業界は「ポスト万博」に目を光らせている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 松野友美)