2025年の万博開催地が大阪に決定した。大阪はカジノを含むIR施設誘致にも乗り出しており、万博開催地とIR施設予定地はなんと隣同士。万博だけでも鉄道輸送は大混雑が予想されるが、もしIR誘致が成功してしまえば、混雑はさらに増す。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

来場者の40%が鉄道を利用する
大阪万博でメトロは激混みの予想

大阪万博の鉄道輸送を担う大阪メトロ中央線
万博来場者の輸送を担う大阪メトロ中央線だが、万博輸送だけで混雑率平均185%の激混みが予想される。IR施設誘致も成功すれば、さらなる混雑は必至である Photo:PIXTA

 11月24日、2025年の万博開催地が大阪に決定した。2020年東京オリンピックに続く、2025年大阪万博という筋書きには、「夢よもう一度」という、いささか呪術めいた執念を感じてしまうのだが、万博招致の心理的分析は識者に任せることとして、本稿では万博の輸送計画について見ていきたい。

 2025年大阪万博の開催場所となる「夢洲(ゆめしま)」は、現在はコンテナターミナルが置かれている大阪湾の埋め立て地だ。隣接する咲洲(さきしま)とは夢咲トンネル、舞洲(まいしま)とは夢舞大橋で結ばれているが、鉄道は開通していない。

 万博の立候補申請文書には「コスモスクエア駅から夢洲まで既存線を延伸」して「万博会場のメインゲートのひとつに接続する新駅を建設する」と記されている。つまり、大阪メトロ中央線が現在の終点コスモスクエア駅から夢洲まで延長し、万博輸送を担うという計画だ。

 大阪市の基本計画によれば、開催期間は2025年5月3日から11月3日の半年間、入場者は約2800万人で、愛知万博(愛・地球博)の実績を参考に算出した1日当たりの入場者は最大28.5万人、入場のピークは1時間当たり5.9万人とされている。来場者の40%が鉄道を利用すると想定されており、1日当たり最大11.4万人、1時間当たり2.4万人の万博輸送を実施する必要がある。

 果たして、大阪メトロ中央線は、この人数を輸送できるのだろうか?現在は、1編成当たりの定員が820人の車両が、日中毎時8本(7分30秒間隔)走っているので、乗車率を100%とすると、1時間当たりの輸送力は約6500人だ。

 保有する車両数や信号システムの上限いっぱいとなる1時間16本(3分15秒間隔)の運行をしたとしても、万博輸送だけで平均混雑率185%に達してしまう。最混雑期は相当の混雑が発生することになるだろう。

 実際、経済産業省に設置された「2025年国際博覧会検討会」は、2017年2月に公表した「会場計画等の検証」の中で、地下鉄輸送を最大限活用したとしても、大阪府の貸し切りバス登録台数の半分近くとなる約600台のシャトルバスの運行が必要になると指摘している。