中年期には「3つの危機」が
訪れることを自覚すること

 今回の事例は、「人生の午後」の問題に当てはめて考えることができます。「人生の午後」とは、心理学者のユングが、40歳ぐらいから始まる「中年期」のことを指したものです。

 中年期には、大きくいって3つの危機が訪れます。(1)体力の危機、(2)対人関係の危機、そして(3)思考の危機です。

 Yマネジャーの場合でいえば、体力も低下し(体力の危機)、営業として幅広い人脈を求める必要を感じ(対人関係の危機)、自分の営業手法に柔軟性がなくなり、新しい手法や考えを受け入れにくくなりつつある(思考の危機)自分にストレスを感じ、イライラしていたようです。

 思い起こせば、最近、なんとなく疲れやすくなってきたことや、妻とのけんかが増えていたといいます。そこで、つい同世代の部下Aさんに対して、ストレスをぶつけるような形であたってしまったのです。

 では、Yマネジャーはどうすればよかったのでしょうか。会話から学んでいきましょう。

Yマネジャー 「実は、Aさんが同世代ということもあって相談があるんだけど、いいかな?」
Aさん 「はい、どうしましたか?」
Yマネジャー 「今、チームの数値目標が未達で、Aさんにも頑張ってもらっているんだけれど、この状況を突破するためにいろいろ一緒に考えてもらいたいなと思っているんだ」
Aさん 「私も気になっていました。この状況が続くと、チーム全体の評価が下がってしまいますよね。ここはひとつ、若い世代から意見をもらって、チーム全体で考えてみるのはいかがでしょうか?」