米国では、不満を募らせていた田舎の有権者が、ドナルド・トランプ氏を米大統領の座に押し上げた。今週旧正月(春節)を祝っている中国では、都市部と農村部の格差事情はやや異なるようだ。ここにきて中国農村部の住民はにわかに、都市部住民よりも経済成長の面で良好な状況にある。このところの中国消費者に関するパニック的な見方も、これで一部説明がつく。アップルは最近、中国が足かせとなって販売が減速したと説明した。背景には、アップルなど欧米の高級ブランド企業が、中国都市部の上位中流階級層をターゲットとしていることがある。中国当局が都市部の成長エンジンのてこ入れに向け、市場寄りの改革を実行しなければ、バブルの様相を呈している農村部の支出だけでは、消費全般の急拡大を維持するには力不足だろう。そうなれば、経済にとって重要な安全網が取り除かれることになり、中国は「中所得国のわな」に陥りかねない。
中国の消費、都市部と農村部で明暗
当局が消費の安定望むなら必要なのは真の改革
有料会員限定
あなたにおすすめ