まず「女性が好きなのに、男性アイドルをなぜわざわざ好きにならなければならないのか」というもの。次に「たくさんの女性にちやほやされやがって、気に入らねえ。金輪際応援なんかしたくない」という嫉妬。他には「男は硬派なのがかっこいい。アイドルってなんか軟派っぽい」といった理由も考えられる。

 しかしこれらの理由を押して男性アイドルを男性が応援することは当然あり得るわけで、Aさんの目撃情報がその事実を物語っている。

 面白い現象というかムーブメントがあって、ネットニュースに詳しい方ならご存じかもしれない。

 人気男性アイドルグループ「DA PUMP」が「U.S.A.」という楽曲をリリースしてヒットとなった。この曲はストレートにかっこいいのではなく、全てにわたってものすごく“ダサい”のだが、そのダサさが振り切っていて潔く、インパクト甚だしく、1周回って非常に“かっこいい”のである。筆者も街中でこの曲を初めて聴いた時は大変な衝撃を受けた。

 面白いのは、この曲を気に入ったハロプロファンが独自にコール(オタ芸の一種で、曲中にそろった掛け声を絶叫すること)を考えて、DA PUMPのライブに参加し会場を盛り上げたことだ。

 ハロプロといえば「モーニング娘。」に代表される、女性アイドルの一群である。当然男性ファンが多く、普段は男性アイドルに見向きもしないはずであった。しかし楽曲「U.S.A.」が持つエネルギーや、曲調がハロプロのある曲に似ていたこともあったようだが、いくつかの点がハロプロファンに刺さって、上記のムーブメントにつながったのであった。

「いいものはいい」と性別に関係なく認める姿勢があれば、たとえ女性アイドルのファンであっても、「男性アイドルを好きにならない理由」を考える前に、男性アイドルを応援しうるのであることが「U.S.A.」の一件からうかがえる。

 本稿では男性アイドルを応援する男性たちの声を紹介したい。