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新しい仕事場に用意したデスクは電動で高さを変えられるシリコンバレーでもよく見かける「Flexispot」です

 目下、新しい仕事環境を構築中です。仕事の環境を構成する要素は、コンピュータなどのメインデバイスと電源、インターネット環境、そして快適なデスクとチェアです。ついでに言えば、耳に装着したり部屋に音楽を流すためのスピーカーも必要ですし、コーヒーやそれを飲むためのマグなども欲しくなります。

 個人的に外せないのは、もらった紙をすぐに捨てられるようにするスキャナの存在。これについてはまた別の機会に触れたいと思います。

 中でも一番大がかりで、選びにくいのが家具です。原稿仕事だと座っていればいいだろうと思われがちですが、仕事といってもいろいろな場面があります。数ヵ月にわたる連載の全体像を考えたり、雑誌の10ページほどの原稿に頭を悩ませたり、手書きで考える事もあれば、キーボードを叩きまくって、とにかくアイディアを書き出すこともあります。

 そうしたいろいろなモードが存在する仕事に対して、1セットの家具ですべてを対応すること自体が、なかなか難しいのではないか、と思うわけです。だからWeWorkのような、いくつかのモードに合わせて場所を使うことができるオフィスに注目が集まっている、といえるでしょう。

 その一方で、たとえば今いる自分のオフィスや自宅の仕事場をWeWork化するのはちょっと現実的ではありません。BerkeleyのWeWorkを仕事場にしていると分かりますが、やはりあの空間の広さがあってこそ。なかなか再現するのが難しいのも現実です。かといって、自宅で仕事をしている人の場合、リビングのソファに仕事を持ち出すのは家族にとってもあまり好ましいことではないかもしれません。

モードを変えられるデスク

 シリコンバレーのオフィスでは、すでに当たり前の風景になっているのが高さが変えられるデスク。イスを使う際には通常の高さ、そしてぐぐっと机の高さを挙げれば、立って仕事をすることができるいわゆるスタンディングデスクに早変わりします。

 日本でも電動、手動の高さを調節できるデスクを手に入れることができますが、シリコンバレーでも見かける「Flexispot」も日本で展開していました(https://flexispot.jp/height-adjustable-desks/)。

 FlexispotのE3は、足の長さを60cmから123cmまでの範囲で高さを調節可能な電動アジャスタブルデスクです。天板のサイズも選択でき、自分のスペースの広さに合ったデスクを選ぶことができます。

 60cmというとかなり低く、子どもの勉強机に最適なサイズ。確かに背がどんどん高くなる子どもにも、この調高機能付きのデスクは最適かもしれません。そして上は120cmの高さまで上がりますが、筆者にとってはその高さはまったく実用性はありません。

 このデスクを使って、座っているポジションだけでなく、立って仕事をするポジションを取り入れることができるようになります。頭の中がまとまっていて、サクサク原稿を書くことができる場合は、音楽を聴きながら、立ってリズムを取りながら、しかし手首はキーボードに固定して原稿を書くというのが、お気に入りのモードになりました。

 また何か考え事をするときには、座ってゆったりとしながら、といった具合で同じデスクでも変化を付けながら仕事の時間を過ごすことができる点は、やはりこの調光機能付きのデスクのメリットではないかと思いました。

低めがしっくりくるという、意外な発見

 自由に高さが変えられるということで、色々と高さを試してみたのですが、そのときに自分の好みの机の高さについて、意外な発見がありました。それは、個人的には低めの方が楽だ、ということです。

 前述のように、筆者はキーボードでサクサク文章を書く時間が多くなっています。手首は机の上に乗せ、ひじは上げて、できるだけ良い姿勢になるよう心がけています。これまでちょうど良いと思っていた机の高さの場合、実は肩が少し上がった状態になっていて、負担がかかっていることに気づきました。

 そのため、「ちょっと低いかな」と思う高さに調節してみると、イスでも立ちでも肩が持ち上がらない状態でキーボードが打てる状態になりました。Flexispotの昇降コントローラーには足の長さが表示されるのですが、筆者にぴったりな座りの机の高さは63.8cm、スタンディングの高さは83.8cmだということがわかりました。

 コントローラーには3つのプリセット機能があるので、1番に座り、2番にスタンディングを登録し、いつでもすぐにモードが切り替えられるようにしておきます。しかも、コントローラーの「A」ボタンはアラーム機能。同じポジションで指定した時間が経過するとアラームが鳴り、そのことを教えてくれるのです。

 細かくアラームを設定しすぎて落ち着かないのも困りものですが、座りっぱなしになりがちな人にとっては、45分程度でアラームが鳴るようにセットしておくと良いかもしれません。さすがに、時間になったら強制的に異なるポジションに移動する、という機能まではついていませんでしたが。

ワークスタイルを広げる可能性

 Flexispot E3は、モーター内蔵の足が2つ付属と天板を組み立てて使います。足も天板も色を選ぶことができるので、空間の雰囲気に合わせることができます。ただし、モーター内蔵ということもあり、足単体でも、完成したデスクも非常に重たいため、注意しなければなりません。

 しかし高さが変わるデスクは、座りっぱなしを防げるだけでなく、先述のように子どもの学習机としても有用で、いっしょに机で勉強するときには高さを下げて使う、といったアイディアもありでしょう。

 更に言えば、在宅で新生児を抱えるワーキングマザー、ワーキングファザーにとっては、エルゴベイビーのような抱っこひもをしながら立って仕事をするという可能性を模索することもできるでしょう。抱っこひもの中の赤ちゃん、座るとときどきむずむずし始めていやがりますので。


matsu

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura