「ウィンウィンの(双方にとって利益のある)取引」。この使い古されてきたフレーズは、25日に発表された米ゼネラル・エレクトリック(GE)によるバイオ医薬事業の売却にぴたりと当てはまる。米産業機械大手のダナハーがGEのバイオ医薬事業を210億ドルの現金で買収すると発表したことを受け、低迷していたGE株は午前の取引で8%も上昇した。GE株は昨年12月半ばの安値から70%近くも急騰している。ダナハー株も約8%上昇した。市場がその買収価格を適正、ダナハーとの適合性を良好と見なしたのだ。GEのラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)はかつてダナハーでもCEOを務めていた。今回、売却されることになったバイオ医薬事業を含むヘルスケア部門について、GEは年内に新規株式公開(IPO)を予定していた。GEによると、同社は今年、バイオ医薬事業に32億ドルの売上高を見込んでおり、売却額はEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の約17倍。ヘルスケア部門には、磁気共鳴画像装置(MRI)といったハードウエアの製造・販売事業が残っている。