
人手不足や原材料費の高騰による工事単価の上昇でゼネコンの業績は絶好調だ。中でも、人手不足を逆手にとってスーパーゼネコンよりも存在感を高めているのが、専門工事を手掛けるサブコンだ。 実は、“サブ”だったにもかかわらず、待遇面ではスーパーゼネコンを脅かしているのだ。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、給料を基にゼネコン業界の最新序列を明らかにする。給与2桁増でスーパーゼネコンをも上回ったサブコンはどこか。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)
人手不足を背景にサブコン優位の時代
スーパーゼネコンを上回る好待遇も
スーパーゼネコン4社の業績が好調だ。各社が手掛ける大型の工事が順調に進捗したほか、工事単価の上昇に伴い2025年3月期の売上高は清水建設を除き3社が前期を上回った。業界1位の鹿島に関しては、売上高が前期比9.3%増の2兆9118億円となり、3兆に届く規模にまで成長している。
しかし、それでもスーパーゼネコンがトップに君臨するゼネコン業界の序列に変動の兆しが出ている。その地位を脅かす存在が、サブコンと呼ばれる電気や空調設備などの専門工事会社だ。サブコンは今、人手不足を逆手に取って、ゼネコンやデベロッパーに強気な姿勢を見せるなどサブコン優位の時代となっているのだ。
では、スーパーゼネコンとサブコンの待遇の差はどのくらい縮まってきているのか。ダイヤモンド編集部は、スーパーゼネコンとサブコンの計9社の25年3月期の有価証券報告書を基に過去3年間の平均年間給与を集計した。
次ページでは、鹿島、大林組、清水建設、大成建設のスーパーゼネコン4社と、きんでん、関電工、高砂熱学工業、大気社、三機工業の主要サブコン5社の平均年収を公開する。待遇では、すでにスーパーゼネコンを上回るサブコンも出てきている。最新の序列とは。