計画達成の要となるのが、路線網の拡大だ。ANAは近年、積極的に未就航地の開拓を続けており、19年度もオーストラリア西部のパースやインド南部のチェンナイに新規就航するほか、ロシアなども検討している。

 JALも「就航500都市の早期達成」を掲げる。ただし、ANAとは異なり、機材と人員が必要な自社便による就航よりも、他社との提携を重視しているのだ。具体的にはメキシコのアエロメヒコ航空、インドのビスタラ航空とコードシェアを、米ハワイアン航空、中国東方航空とはジョイントベンチャー(JV、共同事業)を矢継ぎ早にスタート。他社のリソースを活用して路線網を広げる戦略だ。

 とはいえANAに提携戦略がないわけではなく、資本提携を重ねている。1月にはフィリピン航空の株式9.5%を約105億円で取得。16年にベトナム航空に出資したのに続き、東南アジアにおける“JAL包囲網”を築いている。

 JALは出資に消極的。「金を出して覇権を握るよりも、アジアでのJVを増やすなど手堅くいきたい」(JAL幹部)意向だ。

パイロット不足に一手

 ANAとJAL、それぞれ独自の見解で路線網拡大にまい進する一方、共通課題がパイロット不足だ。従来通り、若手人材を採用し、時間をかけて機長を育成するだけでは事業成長のスピードに人員確保が追い付かないことは明白。そこで2社と国は協力して、幾つかの打開策を講じ始めている。

 目玉の一つが、機種ごとの「型式資格」の制限を緩めること。従来は安全面や訓練の都合で「パイロット1人1機種」が大原則だったが、「1人2機種」に改正される見込みだ。実現すれば、例えば「今日はボーイングのB787に、明日はB777に乗務するということが可能になって運航計画の柔軟性が飛躍的に上がる」(ANA関係者)。ボトルネックの突破口となりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)