日本人トップ10ランカーは他競技にも
一方で注目のマラソンや短距離は?

 今回、発表された陸上の世界ランキングでは他の種目でもトップ10入りした選手がいる。男子では走り高跳びの戸辺直人(つくばツインピークス・26)が7位にランクされた。筑波大学在学中から世界レベルの2m30に迫る跳躍を見せていたが、昨年7月の欧州遠征で2m32を跳んで自信をつけ、8月のアジア大会では銅メダル獲得。そして今年2月のドイツ室内大会で日本新記録の2m35(今季世界最高)を跳んだことが評価されたようで、トップ10入りした。世界記録は2m45だが、最近の五輪や世界陸上を見ると2m35はメダル圏内であり、このパフォーマンスを維持できれば東京五輪での活躍も十分期待できる。

 女子では1万mで堀優花(パナソニック・22)が6位、松田瑞生(ダイハツ・23)が7位にランクされた。堀は2017年のアジア選手権で銀メダル、松田も同大会で銅メダルを獲ったことなどが評価につながったようだ。

 ところで、これらの選手よりはるかに注目度が高い男子のマラソンや短距離の選手のランキングはどうなっているのか。

 日本選手として初めて2時間5分台の記録を出し、3日に行われた東京マラソンにも出場した大迫傑(ナイキ・27)は22位、その大迫よりひと足早く日本記録を更新した設楽悠太(ホンダ・27)は44位にランクされた。

 ただ、これは必ずしも低いとはいえない。大迫より上にランクされた21人の中にケニア人は10人、エチオピア人は8人もいる。ご存じのように五輪のマラソン出場枠は一国3人。ランク上位のケニア・エチオピア勢で五輪に出場できるのは6人であり、ランキングを五輪想定で換算すれば大迫は10位に相当するのだ。また、23位から設楽のひとつ上の43位までの21人中18人がケニア・エチオピア勢であり、同様に換算すれば設楽は14位になる(世界ランク43位のうち36人をケニア・エチオピア勢が占めているわけで、改めてその強さと層の厚さには驚かされる)。

 日本のマラソン代表は9月に行われるMGCによって決まるから、大迫や設楽が選ばれるとは限らないが、この順位でも悲観することはないのだ。

 一方、短距離。男子100mのランキングを見ると、山県亮太(セイコー・26)が19位、日本人として初めて10秒を切った桐生祥秀(日本生命・23)が25位、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ・25)は42位だ。上には強敵が大勢いるわけで、チームワークがものをいうリレーに望みを託すしかないだろう。

 注目したい選手がいるのは、むしろ400mと200mだ。400mでは安部孝駿(デサント・27)が12位、200mでは小池祐貴(住友電工・23)が16位にランクされた。このランクなら、ファイナリスト(決勝進出)の可能性もある。

 ともあれ今回、IAAFが発表したランキングを見る限り、一番頼もしいのは男子競歩陣ということになる。地味な種目であり報道されることも少ないが、選手たちの頑張りはもっと評価されるべきだし、五輪での活躍も期待してよさそうなのだ。

(スポーツライター 相沢光一)