その実相を裏付けるかのように、議長国の当事者となる麻生太郎財務相は12月1日、直近のG20サミット(ブエノスアイレス)終了後の記者会見で「経済成長の果実の分配の不均衡から一般市民の不満が高まっている」として「国際経済秩序や国際協調といった価値は危機にひんしている」と述べた。
G20の“不協和音”は、各国間で拡大する貿易不均衡のデータに象徴的に表れているといえる(下図参照)。これを見ると、黒字と赤字がそれぞれ最大の米国と中国をはじめ、直近の黒字(赤字)額が大きい国ほど平均収支額からの改善(悪化)幅が広がっている傾向が見て取れる。