経常収支不均衡の原因や
その対応をテーマに挙げた日本
では、19年のG20会合では何が議論されるのか。麻生財務相は先の記者会見において、持続可能な経済成長に向けた「過度な経常収支不均衡の原因や対応の方向性」を主要テーマの一つに挙げた。
経常収支とは海外とのモノだけでなくサービスや株式の配当金などを含めた取引を表す統計で、貿易収支は一要素にすぎない。よって麻生財務相は経常収支の不均衡が単なる貿易上の問題だけでなく、高齢化など各国の「構造要因への理解も必須」との認識を示す。
これが示唆するのは、トランプ大統領が訴える表面的な貿易不均衡だけに目を奪われると事の本質を見誤りかねない、との問題意識ではないか。そうした実態は次項以降に示すデータからも明らかとなる。つまり、貿易不均衡拡大は事実だが、経常収支、財政収支、人口動態など構造要因を幅広い観点で分析すべきということだ。