原因は二つある。一つは原油価格が上昇し、ストップしていたシェールガスの開発が軒並み再開されたこと。もう一つは、17年夏にメキシコ湾岸を襲ったハリケーンの復興事業が本格化したことだ。

 これらによって18年初頭から建設現場の人手が逼迫し、先進国だからと1人当たり約1万5000ドル/月(経費を含む)を覚悟していた人件費が、約2万ドルまで上昇した。中東の人件費は同2000ドルである。もともと単価が高いだけに、上振れ額も大きかった。

 さらに、空前の売り手市場とあって、労働者の定着率も低迷した。なんと3~6ヵ月で労働者の約半数が入れ替わってしまうほどで、いつまでたっても現場の生産性が上がらない。納期を順守するためにも、当初確保していた9000人からなかなか人を減らせず、どんどんコストが膨れ上がった。

LNGプラントの建設ノウハウは
中国勢には魅力

 第1系列が試運転の準備に入ったことで、2月になってようやく労働者数は6000人台に減ったが、プロジェクトは第3系列の建設まで続く。特にキャメロンは辺ぴな場所にあることもあり、まだまだ予断を許さない状況だ。

 実は米国のプラント建設をめぐっては、各社が多かれ少なかれ同じような憂き目に遭っている。日揮も、熟練工が少ない中で石油化学プラントの工事が混乱し、17年3月期には19年ぶりに赤字に転落した(図3)。

 しかし、千代田化工は総投資額6000億円という大型のLNGプロジェクトでつまずいており、その分、打撃も大きい。

 キャメロンが「オーバーストレッチした受注だった」(千代田化工関係者)ことも災いした。同プロジェクトを受注した14年はLNGプラントの仕事が立て込んでいた時期で(図2)、建設のみならず、設計や資材調達までジョイントベンチャー(JV)のパートナーに任せ切りにしてしまったのだ。

 これで設計に遅れが出て、余計にコストが掛かってしまった面は否めない。