時短実験の結果は
24時間営業推進に結びつく?

 今、FCオーナーの多くが頭を悩ませているのは、そんな「近隣バイト」が確保できなくなっていることだ。ご存じのように日本は少子高齢化で、特に地方都市などでは、近所のコンビニで働いてくれるような若者も少なくなっている。そこに拍車をかけているのが、コンビニは様々なバイトの中でもかなりの「低賃金」だという事実だ。

 ただでさえ、地域内のバイト希望者が減ってきているところで、「仕事が多くて低賃金」というダブルパンチで「人手不足」を引き起こしているのである。

 そういう構造的な問題がある中で、さらに事態を悪化させている要因が「ドミナント戦略」だ。

 狭い範囲でコンビニを集中的に出店するということは、その狭い範囲で働くコンビニバイトも集中的に確保しなくてはいけないということだ。しかし、先ほども申し上げたように、低賃金ゆえにバイト先で敬遠されているし、そもそも若者も減っている。

 バイトが確保できないなかで、地域のコンビニはどんどん増えていくので、さらにバイト獲得が難しくなる、という「人手不足スパイラル」が進行していけばどうなるか。オーナーが不眠不休で働くしかないに決まっている。

 つまり、現在のような人口減少社会で、昭和の人口増加社会を前提とした「ドミナント戦略」を続けているというミスマッチが、今回の問題を引き起こしているのは明らかなのだ。こういう致命的なシステムエラーに言及していない実証実験がゆえ、山口真帆さんの訴えが反映されていない第三者委員会調査報告書と同様に、「お手盛り感」が拭えないのだ。

 今回、「時短営業」をした直営店というのは、「昼間の売り上げが大きく落ち込んだ」という結果が出る可能性が高い。

 これまでセブン-イレブンが行ってきた調査でも、「24時間営業を止めれば売り上げが落ちる」という結果が出ているということもあるが、これもやはり「ドミナント戦略」の副作用である。同一地域内にセブンの店舗が溢れる中で、1店舗だけ深夜閉店をすれば、これまでその店に通っていた客は他のセブンやローソン、ファミリーマートなど他店に簡単に流れてしまう。そういう動きが増えれば、昼間の客足も減っていくのは当然だろう。

 そこで筆者が懸念しているのは、この結果をもってして、これまで通りの「24時間営業」を推進することのお墨付きになってしまわないか、ということだ。

 実証実験をしてみましたけど、深夜営業をやめたら昼間の売り上げが大きく落ち込んじゃったんですよね。しかも結局、食品の配送や清掃があるんで誰かは働かなくちゃいけない。オーナーのメリットやインフラとしての重要性を考えると、やはり「24時間営業」続けるしかないっしょーー。

 実証実験で、そんな社会ムードがつくられないかが、心配なのだ。