――筆者のジョージ・シュルツ氏は元国務長官(1982~89年)、ウィリアム・ペリー氏は元国防長官(1994~97年)、サム・ナン氏は元上院軍事委員長 ***  米国とその同盟諸国、そしてロシアは、危険な政治的行き詰まりに陥っている。これは、ミスや計算違いによって起きることの多い軍事衝突、さらにはほぼ74年ぶりの核兵器使用の可能性にさえつながりかねない。ロシア側と改めて戦略的に関与し、この危険な断崖から引き返すためには、大胆な政策転換が必要だ。さもなければ各国は遠からず、冷戦時代より不安定で方向感覚が定まらず、経済的コストが大きい核のにらみ合いに置かれるかもしれない。