セブン経営陣が陥っているのは
「撤退できぬ病」

 では、このムーブメントの「火付け役」ともいうべき、当のセブンはどうかというと、「24時間営業死守」の構えを崩していない。

 4月5日の『セブン、「24時間営業死守」の本音を見せつけた新社長の就任会見』で詳しく解説されているが、なんやかんやと理由をつけて、どうにかして「24時間営業継続」の道を模索しているのだ。

 つい最近、話題になった「時短営業の実証実験」も実はその一環で、これまでも24時間営業をやめると売上げがかなり厳しくなるというデータがあり、「それを明確にするためにテストをやっている」と、永松文彦新社長も述べている。

 データ主義といえば聞こえはいいが、バイトが確保できず、個人に過重労働がのしかかる「ブラック職場」になっている中でも具体的な問題解決策を示さず、ただ現行の計画を進めます、という姿勢は、現実から頑なに目を背けているようにも見える。

 なぜセブンほどの立派な大企業を舵取りする頭脳明晰なリーダーたちが、こんな理解に苦しむ対応をするのか。

「単に収益が減るのが嫌なだけでしょ」「いや、売り上げが落ちればコンビニの質の高いサービスが維持できない!日本のためを考えての苦渋の決断だ!」などなど、皆さんもこの件には様々な意見があることだろう。

 だが、筆者の見方はちょっと違う。日本型組織の代表的な病の一つである「撤退できぬ病」に、セブン-イレブンの幹部の皆さんが蝕まれつつあるのではないか、と心配しているのだ。

 筆者は報道対策アドバイザーという仕事柄、「問題アリ」の組織を間近に見る機会がわりと多い。そこで気づいたのは、組織外の人間から見れば明らかに無謀に見える計画なのに、変更したり見直すことを頑なに拒むリーダーが、思いのほか多いということだ。この現象を個人的に「撤退できぬ病」と呼んでいる。