米国市場における日産車のブランド力の弱さは際立っている。

 例えば、自動車メーカーが販売店に支払うインセンティブ(値引き原資となる販売奨励金)の金額は、「トヨタ自動車やホンダが1台当たり2100〜2200ドル(約23〜24万円)なのに対して、日産は1台当たり3500ドル(約38万円)に上る」(自動車アナリスト)と言う。

 日産はインセンティブを積み増したり、利幅の薄いフリート販売(レンタカーなど法人販売)の構成比を増やしたりすることで、採算度外視の規模拡大路線を邁進した。値崩れは止まらず、更に採算を悪化させる悪循環となってしまった。

 その結果、18年3月期の北米事業の営業利益率はわずか1.2%まで落ち込んだ。かつての“ドル箱”事業が今は見る影もないほどの凋落ぶりである。

 西川社長は「北米や欧州は厳しいが、日産には中国や日本という堅調な事業の柱がある。財務体質も健全で必ずリカバリーできる」と強調する。

 その揚げ足を取るわけではないが、よく見ると、日本市場の営業利益率も悪化している。

 17年3月期に8.7%だった日本事業の営業利益率が19年3月期には2.7%へ低下しているのだ。

 昨年はe-POWER(エンジンの出力を発電だけに使い、走行は100%電気モーターで行うパワートレイン)技術が搭載されたモデルが国内販売を牽引していたが、ゴーン氏スキャンダルの発覚や完成検査問題が尾を引き、最近の販売は苦戦している。

 とにかく、日本、北米、欧州の主要3市場の利益率が急落しているのだ。