「働き方改革」が喫緊の課題となっている。そんななか、プレッシャーが増しているのがプレイングマネジャー。個人目標とチーム目標を課せられるうえに、上層部からは「残業削減」を求められ、現場からは「仕事は増えてるのに…」と反発を受ける。そこで、1000社を超える企業で「残業削減」「残業ゼロ」を実現してきた小室淑恵さんに『プレイングマネジャー 「残業ゼロ」の仕事術』をまとめていただいた。本連載では、本書のなかから、プレイングマネジャーが、自分もチームも疲弊せずに成果をあげるノウハウをお伝えしていく。

優れたマネジャーは、上層部に「俺の出番だな」と思わせる手腕に長けている

「働き方改革」には必ず「停滞期」がある

「働き方改革」は、小さいことから着手するーー。

 これが、職場の「働き方」を変えていく鉄則です。難易度の高いことにいきなりチャレンジしても、なかなか結果が出ないために、メンバーのモチベーションが上がらず、改革のエンジンがかからないからです。それよりも、できるだけはやく成果を出して、チームのモチベーションを高めるために、「整理整頓」「テンプレート化」「マニュアル化」など、チーム内で完結できる「難易度が低いこと」で実績を出していくことが大切なのです。

 ただ、「働き方改革」は短期間で劇的な成果が出るものではありません。ある程度の時間をかけて、じっくりと取り組むことでこそ大きな効果が得られるのです。ここで問題になるのが、長期的な取り組みの中盤では、どうしても何度か「停滞期」が訪れることです。

 というのも、時間がたつにつれて、チームのなかに「やれることはもうかなりやったけど、その割に大きな変化はないな」という無力感が生まれたり、「この先もっと大きな課題を解決しなければならないと思うと気が重いなぁ。できるかなぁ……」といった不安が生じたりするようになるからです。

 またマネジャー自身も、「少し変化も出てきたし、これくらいでいいかな……」といった迷いが生じてきます。そこで、私たちは、「働き方改革」のロードマップ(約10ヵ月)の中間点で、「中間共有会」を開催することをおすすめしています。